漫画『復讐の毒鼓』 ネタバレ小説ブログ

マンガ「復讐の毒鼓」のネタバレを、小説という形でご紹介させていただいているブログです。

2021-02-01から1ヶ月間の記事一覧

復讐の毒鼓 第39話

「おりゃおりゃおりゃぁぁ!」 晴れ渡る空に佐川の怒号と鈍い音が轟く。仁に馬乗りになった佐川は、空いている右手で仁の顔をめった打ちにした。 「オイ、それくらいにしとけ。もうお前の勝ちだ。」 大道寺の一声でようやく佐川が手を止めた。決着だ。 「強…

復讐の毒鼓 第38話

「お前は大体どれ位のレベルだと思ってる?」 勇は、近江が本気で戦った時どのレベルまで通用するかを聞いた。自軍の戦力を把握するのは重要だ。 「12位。」 「12位か。ってことは15位とも張り合えるってことか?」 「あぁ。たぶんな。」 そもそもナンバーズ…

復讐の毒鼓 第37話

「必ずしも全員順番にシメてく必要はないが、抑えておくべき順位のヤツらはいる。例えば15位をシメれば、12位まではみんな大体同じくらいのレベルってことだ。」 近江はファミレスで、勇への説明を続ける。 「15位は誰だ?」 「2年の皆川重五だ。2年の中で1…

復讐の毒鼓 第36話

「学校通ってるヤツのわりにやるじゃねーか。でも退学組の俺っちが負けるわけ…。」 仁は舌戦を交えた喧嘩を楽しもうとしているようだった。しかし右山はそれには応じず、無言で仁の腰目がけてタックルすると、そのまま腰を抱えて投げの体勢に入った。 「おい…

復讐の毒鼓 第35話

「まだですか?」 「もうすぐ来るはずだ。」 決戦の場に一足先に着いていた早乙女は、まだ到着しない相手方に少々焦れていた。仲介役の大道寺が軽くなだめると同時にバイクのエンジン音が近づいてくる。 「おー、お出ましだ。」 相対する両陣営。早乙女が早…

復讐の毒鼓 第34話

「どうしてお前が…?」 思いもかけぬ"神山"の登場に列は、寝起きの顔に水をかけられたような顔になる。まさか陣内が"神山"に負けるなど、微塵も想定していなかったからだ。他の者も同じ想いだった。一同の視線が勇に釘付けになる。 「わざわざ…説明が必要か…

復讐の毒鼓 第33話

刺された傷口から広がる痛みと悪寒が、全身から力を奪う。内村は傷口を手で抑えると、力無くガックリと膝を落として座り込んだ。 「ザコが調子に乗ってんじゃねぇよ。」 内村を刺した男が歪みきった顔で吐き捨てる。堪忍袋の緒が切れた近江が呼び掛けると、…

復讐の毒鼓 第32話

焼却炉からまた鈍い音が響き始める。5人の男達からの暴行を、近江はガードしながら必死に耐えていた。 「やめろ。これ以上は俺も…。」 「これ以上は俺も…なんだ?やるしかねぇってか?勝てると思ってんのか、ボケ。」 近江を見下し、蔑む列の姿勢はブレない…

復讐の毒鼓 第31話

バキッ!ドカッ! 焼却炉周辺に鈍い音がこだまする。内村と南原は列に焼却炉へ連れて行かれると、早速殴り放題にされていた。2人とも意識はあるものの、力無く座り込む。列は内村の胸倉を掴んで言った。 「いっちょまえに神山と組んでクーデターか?ああ?」…

復讐の毒鼓 第30話

「誰だお前。」 近江とは似ても似つかないその男に勇は問うた。陣内は(秀ではないため当然ながら)自分のことなどまるで覚えていない様子の"神山"に言う。 「おいおい、俺に一番ボコられといて忘れちまったのかい?腹蹴り一発で血ぃ吐いてたじゃんか。」 1年…

復讐の毒鼓 第29話

「近江を止めろだぁ?なにそれ?」 電話の向こうからの出し抜けな頼みに、陣内は思わず聞き返す。 『在木が絡んでるんだ。詳しくは後で話すから、とりあえず明日清十郎を止めてくれ。』 「まあ、考えてみるわ。」 そう言って電話を切ると、早々に独りで文句…

復讐の毒鼓 第28話

「神山の奴…雷藤仁と相当親しいみたいっす。」 居酒屋の席で加藤は、早乙女達を前にするプレッシャーの中で恐る恐る話し出した。佐川が口を挟む。 「雷藤仁?誰それ?」 「自分…中学んときこっちに転校してきたんすけど、転校前の地元で番張ってた奴です。で…

復讐の毒鼓 第27話

「俺はお前らがやり過ぎないように止めに来たつもりだったが、まさかこんなことになるとはな。」 近江は未だ動けずにいる在木をリュックを枕にして横にさせると、ボヤくように言った。その傍らで在木も力無く愚痴る。 「ちくしょう…何だこのザマは…。」 「あ…

復讐の毒鼓 第26話

在木と前園は公園の地面に倒れ、気絶している。勇はそんな2人を尻目に、自分の通学カバンについた砂を払っていた。 「行こう。」 勇の戦いぶりを改めて目の当たりにして硬直する2人を、事も無げに促す。勇の言葉を聞いた途端に南原がさらに苦悩の表情を浮か…

復讐の毒鼓 第25話

公園は喧嘩の現場を中心に、異様な空気に包まれていた。勇を真ん中にしてその左に在木、右側には前園を配して、戦局は膠着状態だった。 (遠藤がやられるわけだ。こいつは強ぇ。) (もともと強くなきゃ、1年でこんなに強くなれないね。) (今は間の読み合い。先…

復讐の毒鼓 第24話

遠藤が静養しているベッドのある病室のドアが開き、1人の男が現れた。 「清十郎…。」 「どうだ?」 容態を気にして近江が声を掛けたが、遠藤は"神山"の件での近江の行動を快く思っていなかった。遠藤は容態を答える代わりにそっぽを向きながら吐き捨てた。 …

復讐の毒鼓 第23話

江上との話を終えた勇が席についていると、内村と南原が連れ立って教室へ戻ってきた。 「内容は?」 「在木が放課後、お前に会いたいそうだ。」 「そいつも親衛隊だったな。」 「ああ。」 この"謹慎期間"を利用し、親衛隊を1人ずつ倒すのが勇の当分の間の目…